社会保険労務士のホームページでサービスページを作るとき、つい「その業務について何を説明するか」から考え始めてしまいます。
たとえば就業規則であれば、就業規則とは何か、作成義務がある会社、記載する内容などを説明する。障害年金であれば、制度の仕組みや要件を説明する。退職金制度であれば、制度の種類や特徴を説明する。
こうした情報はもちろん必要です。
ただ、ホームページを訪れる人は、必ずしも最初から制度について詳しく知りたいわけではありません。
事業主であれば、
「従業員が増えてきたけれど、今の就業規則のままで大丈夫だろうか」
「昔作った規程と実際の運用が違っている」
「退職金制度を作りたいが、何から考えればよいか分からない」
といった具体的な困りごとから情報を探していることがあります。
障害年金について調べている人なら、
「働いているけれど相談してもよいのだろうか」
「初診日がかなり前で、病院も変わっている」
「自分の状態が障害年金の対象になるのか分からない」
といった不安から検索しているかもしれません。
ここで大切なのは、社労士側の「業務分類」と、相談者側の「困りごと」は必ずしも一致しないということです。
社労士にとっては「就業規則作成」「労務相談」「障害年金請求」「退職金制度設計」という分け方が自然でも、相談者は自分の悩みがどの業務に当てはまるのか分からないことがあります。
そのため、サービスページを作るときは、業務内容を書く前に、
「どのような人がこのページを読むのか」
「その人は、どのようなことで困っているのか」
「どのような言葉で検索するだろうか」
を考えてみると、ページの内容が変わってきます。
たとえばページの最初に制度の説明を長く置くのではなく、「このようなことでお困りではありませんか」という形で具体的な状況を示し、そのあとに制度や支援内容を説明する方法もあります。
そうすると、読んだ人は「これは自分に関係するページだ」と判断しやすくなります。
さらに、その悩みに対して「何を確認するのか」「どのような支援ができるのか」「相談するとどう進むのか」まで整理すると、サービスページは単なる業務案内ではなく、相談を検討するためのページになります。
専門性を伝えようとすると、どうしても詳しい制度説明を書きたくなります。
しかし、専門性は難しい言葉をたくさん使うことで伝わるものではありません。
相談者が抱えている問題を理解し、それを整理して分かりやすく説明できることも、社労士の専門性の一つだと思います。
サービスページを作るときは、まず業務内容を書くのではなく、そのページを訪れる人が「何に困っているのか」を整理する。
そこから考え始めると、専門性がより伝わるページを作りやすくなります。