社会保険労務士は、幅広い業務に対応できる専門家です。
労務相談、就業規則、社会保険手続き、給与計算、助成金、障害年金、退職金制度、ハラスメント対策など、ホームページに掲載できる業務はたくさんあります。
そのため、「対応できることはできるだけ多く載せたい」と考えるのは自然なことです。
事務所全体を案内するホームページであれば、取扱業務を幅広く掲載することにも意味があります。
一方、専門サイトでは、少し考え方が変わります。
たとえば、退職金制度について相談先を探している事業主がサイトを訪れたとします。
そこに「給与計算」「助成金」「社会保険手続き」「就業規則」「採用支援」「退職金制度」と同じ大きさで並んでいると、「いろいろ対応している社労士」ということは伝わります。
しかし、「退職金制度について詳しい社労士なのか」は判断しにくくなります。
専門サイトで大切なのは、できることの多さを見せることよりも、何について相談できるサイトなのかを短時間で理解してもらうことです。
そのためには、専門分野を一つ決め、そこから相談内容を掘り下げていく方法があります。
退職金制度なら、「新しく制度を作りたい」「現在の制度を見直したい」「導入後の運用について相談したい」。
労務管理なら、「従業員を雇い始めた」「従業員が増えて管理方法を見直したい」「IPOやM&Aに向けて労務リスクを確認したい」。
一つの専門分野でも、相談者の状況を掘り下げれば、伝えるべき内容は十分にあります。
専門分野を絞ることは、対応できる業務を減らすことではありません。
事務所サイトでは幅広い業務を掲載し、その中で特に力を入れたい分野について専門サイトを作る、という使い分けもできます。
また、専門分野を明確にすると、トップページだけでなく、FAQ、コラム、実績、問い合わせフォームなどの内容にも一貫性を持たせやすくなります。
「何を書けばよいか分からない」という状態から、「この分野について、相談者が知りたいことを書いていく」という考え方に変わるからです。
専門サイトを作ろうとするとき、最初からページ数やデザインを考える必要はありません。
まず、自分がこれから特に相談を受けたい仕事は何か。その仕事について、どのような人から相談を受けたいのか。そして、その人は何に困っているのか。
この3つを整理してみることから始めると、専門サイトで何を伝えるべきかが見えやすくなると思います。