実績ページは「何をしたか」だけでなく「どう考えたか」を伝える

社会保険労務士のホームページで専門性を伝える方法の一つに、実績の掲載があります。

研修であれば「管理職研修を実施」、就業規則であれば「就業規則の作成・改定」、労務監査であれば「労務監査を実施」といった形で紹介することができます。

もちろん、どのような仕事に対応してきたのかを示すことは大切です。

ただ、専門サイトの実績ページでは、「何をしたか」だけではなく、その案件で何が課題となり、どのように考えて支援したのかまで伝えると、専門性がより分かりやすくなります。

たとえば、「就業規則を改定しました」という実績があったとします。

これだけでは、相談を検討している事業主にとって、自社と関係のある実績なのか判断しにくいかもしれません。

そこで、

「従業員が増え、以前作成した就業規則と実際の運用に違いが生じていた」

「管理職ごとに勤怠管理の方法が異なっていた」

「規程を直すだけでなく、社内で運用できる形にする必要があった」

といった背景を加えると、実績の見え方が変わります。

同じような課題を抱えている事業主が、「自社にも近い」と感じやすくなるからです。

退職金制度なら、「制度を導入した」という結果だけでなく、なぜ導入を検討したのか、どのような点を整理したのか。

ハラスメント研修なら、参加人数や研修時間だけでなく、会社がどのような課題を感じて研修を行ったのか。

実績ページは、仕事の件数を見せる場所というより、その社労士が相談を受けたときに、どのような視点で問題を整理するのかを伝える場所と考えることもできます。

一方で、社労士業務では守秘義務への配慮も欠かせません。

会社名を掲載できない場合でも、「従業員数が増えてきた企業」「初めて退職金制度を検討する中小企業」など、相談者を特定できない範囲で背景を示す方法があります。

また、実績がまだ少ない専門分野であれば、無理に件数を大きく見せる必要もありません。

これまでの経験や支援事例の中から、その専門分野につながるものを整理して掲載する方法もあります。

実績ページを作るときは、まず「何件掲載できるか」を考えるのではなく、「どのような相談に、どのような考え方で対応していることを伝えたいのか」を整理する。

そこから実績を選んでいくと、単なる事例紹介ではなく、その社労士らしい専門性が伝わるページになっていくと思います。