社労士の専門サイトを作るとき、「できるだけ多くの情報を用意してから公開したい」と考えることがあります。
サービスページを充実させ、FAQをたくさん作り、コラムも何本か用意する。もちろん、十分な情報を揃えて公開することにはメリットがあります。
ただ、専門サイトは、公開した時点で完成するものではありません。
むしろ、公開後に相談者の反応を見ながら少しずつ育てていくと考えた方が、実際の相談につながるサイトに近づけやすくなります。
たとえば、退職金制度の専門サイトを作ったとします。
当初は「新規導入を検討する会社が多いだろう」と考えてページを作っていても、実際には「昔からある退職金制度を見直したい」という問い合わせが多いかもしれません。
労務管理の専門サイトでも、「就業規則についての相談が多い」と予想していたところ、実際には「従業員が増えて、これまでの管理方法では対応できなくなった」という相談が多くなることもあります。
こうしたことは、サイトを公開してみなければ分からない部分です。
実際の問い合わせは、専門サイトを改善するための大切なヒントになります。
「この質問を何度も受ける」ということであれば、FAQに追加できます。
「相談前にいつも同じ説明をしている」のであれば、その内容をサービスページに加えることもできます。
「この言葉では相談内容が伝わりにくい」と感じたら、ページタイトルや見出しを見直すこともできます。
また、コラムも専門サイトを育てる方法の一つです。
最初から何十本もの記事を用意するのではなく、日々の相談でよく聞かれることや、制度について誤解されやすいことを一つずつ記事にしていけば、時間とともにその専門分野の情報が蓄積されていきます。
大切なのは、更新すること自体を目的にしないことです。
「毎週更新しなければならない」と考えると、専門分野とはあまり関係のない記事まで増えてしまうことがあります。
専門サイトで増やしたいのは記事数ではなく、これから相談する人に役立つ情報です。
ホームページ制作というと、公開日をゴールとして考えがちです。
しかし専門サイトの場合、公開はむしろスタートです。
最初から完璧なサイトを目指すのではなく、まず誰に何を伝えるサイトなのかを明確にして公開する。そして、実際の相談や問い合わせを見ながら、必要なページや情報を追加していく。
そのためにも、公開前にすべてを作り込むことより、「何を軸にして今後育てていくサイトなのか」をまず整理しておくことが大切だと思います。